ミステリー用語辞典

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用語 人名(工事中) 出版社
用語編

あ行

鮎川哲也賞
鮎川哲也を記念して作られた東京創元社主催の新人賞。本格ミステリが中心。 主な受賞作家は芦辺拓、加納朋子など。

アリバイ alibi
犯行時刻などに犯人が何処にいたかを示す証拠。不在証明ともいう。 使い古されているがいまだに、ほとんどのミステリー重要な要素(のはず)。

アンチミステリ anti-mystery(←多分、英語合ってない)
私にはわかりません。と言いたい所だが、辞典を謳っている以上そういうわけにはいかないので鯨統一郎『ミステリアス学園』 によれば、「論理的解決の無いミステリ小説」のこと(らしい)。やっぱり、この定義さっぱりわかりません。
主な作品は四大奇書(さ行参照)。

安楽椅子探偵 
別名アームチェアリング・ディテクティブとも言う。ベッドディテクティブ(寝台探偵)もこの一種。 探偵自身は調べず、助手が集めてきた情報を元に推理して結論を出す探偵。 主な探偵に隅の老人(オルツィ)、退職刑事(都筑道夫)などがいる。 (ただし、隅の老人は調べ回ったりしているので厳密には安楽椅子探偵とはいえない気が…)。
蛇足だが、「安楽椅子探偵アーチー」(松尾由美)本当に「安楽椅子」を探偵にしてしまっている。

SF 
言うまでもなく、サイエンス・フィクションの略。 根本的にミステリとSFやジャンルが違うと思うのだが、日本のSF界の不調に乗じてか ミステリ作家がSFを書く(あるいは逆)というパターンも多い。 例としては、恩田陸、西澤保彦、乙一、瀬名秀明など。 ミステリファンとしてもSFに頑張って欲しいものである。

江戸川乱歩賞
江戸川乱歩を記念した新人賞らしいが、目新しさよりも、確実性をもとめている印象がある。 そのせいか、衝撃度十分の作品が最終選考止まりで、無難なタイプの作品が多い。 主な受賞作家は、仁木悦子、東野圭吾、岡嶋二人など。

か行

QED
エラリー青年が使ったのが最初。論理展開が終わったあと、格好つけて「証明終わり」と使う。 勿論、元は数学用語。 最近は高田崇史の「QED」シリーズや漫画をさす時もあるので要注意。

キャラ萌え
元々、アニメ用語だったのだが、いつの間にかミステリにも定着。 推理部分よりも登場人物に熱を上げるファン。元々、女性が男性探偵にというパターンが多かったのだが、 何故か森博嗣以降、逆パターンも多い。 主に萌えられる(こんな表現あるのか?)のは男性探偵では江神二郎(有栖川有栖)、榎木津礼二郎(京極夏彦)など、 女性助手では西之園萌絵(森博嗣)など。何故か知らないが、男性探偵は変人奇人型、 女性助手の場合はお嬢様タイプが好まれる(らしい)。

クローズドサークル closed circle
嵐の中や雪の山荘、あるいは孤島など孤立した中で、殺人が起きるタイプの小説。 警察の科学捜査を拒み、素人探偵に役を与える為にできた 現代の苦肉の策と綾辻行人は言うが、ただ単に外部犯否定という意味合いもある (勿論例外もある)。 代表作としてはクリスティ「そして誰もいなくなった」有栖川有栖の「江神シリーズ」など。

後期クイーン問題
法月綸太郎が「初期クイーン論」の中で表した理論。面倒なので、簡潔に言うと「論理的にたどりついた真相が、 真実かどうかを作中探偵には絶対にわからない」ということ。例えば、読者へは「読者への挑戦状」で「すべてのデータ」であり 「論理的にたどりついた結果が真相」と示せるが、それを探偵に教える事が出来ないということ。 数学の「ゲーデルの不完全定理」(詳しくは知らないがそういうのがあるらしい)からミステリにおけるゲーデル問題とも言われる。 詳しくは、ググるか、「初期クイーン論」を読んでください(e-novelsで発売中)

このミス 
宝島社から年末に出ている「このミステリーがすごい!」の略。 その年のミステリを年度末に国内・海外分けてランク付けして出すという物。 サブタイトルに「ミステリー&エンターテインメント」と入ってるせいか、 ミステリっぽくない作品も結構入っている。対抗としては「本格ベストミステリ10」などがある。 SF界では、早川書房の「SFが読みたい!」というのもある。

さ行

サスペンス suspense
読者を興奮状態にし、結末まで一気に読ませるタイプの小説。 ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』が最初。何故か社会派に多い。 日本では乃南アサ『凍える牙』宮部みゆき『魔術はささやく』など。

三大奇書
日本ミステリーを代表する三大奇書。何故かすべてアンチミステリ。 夢野久作『ドグラ・マグラ』小栗虫太郎『黒死館殺人事件』中井英生『虚無への供物』 を指す。今は竹本健治『匣の中の失楽』を加えて四大奇書とも言う。

時刻表トリック
電車などの時刻表を駆使して、トリックを作る方式。西村京太郎が有名(最初は鮎川哲也)。 日本独自の分野で海外では余り見られない。(海外は電車の時刻が正確ではない)

社会派
松本清張が始めた流れ。サスペンス調に語られる事が多い。 本格派とは一線を画し、社会問題にスポットを当てている作品が多い。何故か、直木賞受賞が多い。 主な作家は、宮部みゆき、高村薫、乃南アサなど。(パトリシア・コーンウェルもココか?)

助手
文字通り探偵の助手。本来は、探偵を助ける仕事をすべきなのだが、 中には、単なる探偵に葉っぱをかけるだけのが多い。一般人並みあるいはそれ以下の知能が要求される。 勿論、もとはホームズの助手ワトソン。執筆者を務めることや作者と同名のも多い。結構、女性も多い。 主な助手に、ヘイスティングス(ポワロ)、石岡和己(御手洗潔)、二階堂黎人(二階堂蘭子)など。

新本格
もう一回、黄金時代のような古典的な推理小説を書こうという運動。 日本では綾辻行人『十角館の殺人』以降の本格推理を指す。なお、仕掛け人は島田荘司と宇山日出臣氏(らしい)。 主な作家に、有栖川有栖や法月綸太郎がいる。が、ここのところ初期の新本格作家はドンドン寡作となっている。 未だに、真面目(?)に書いているは霧舎巧ぐらいか。(森博嗣を新本格に含むかは微妙)

推理小説
推理を楽しむ小説。古くは探偵小説(detective story)と言ったが第二次世界大戦以降名前が変わった。 ミステリー、ミステリ(mystery)とも言う(ミステリィという人もいる)。 いまだかつて、私は英語で推理小説のことをなんと言うのか知らない。多分いくらなんでも detective storyじゃないだろう。パトリシア・コーンウェルが流行ってるようじゃ… (蛇足だが、刑事のこともdetectiveという)

た行

ダイイング・メッセージ
被害者が犯人を示すようなものを残す事。何故か、死に際なのに わざわざパズル的しているのが多い。大体、死に際にそんなことをする暇が あるのか、といつも思うのだが。なお、最近の小説はダイイングメッセージはパチモンだったというパターンが ほとんど。元祖はエラリー・クイーン。

探偵
事件や謎を推理する人。最近は探偵の職業が探偵というは少ない (実際の探偵が不倫調査などを目的としている為だろう)。 何故か、性別は男が多い。女探偵はやはり少ない事は否めない。 主に、ホームズ(ドイル)、エラリー(クイーン)、御手洗潔(島田荘司)など。

読者への挑戦状
エラリー・クイーンが最初。ストーリーを途中で止め、真相がわかる直前に 大胆不敵にも、読者に「犯人がわかりますか?」などと挑戦する。 なお、意義としては「すべての情報を開示した」と「論理的に突き詰めれば犯人がわかる」という ことを読者に示す意義がある。クイーン「国名シリーズ」有栖川有栖「江神シリーズ」など。

な行

日常派
人殺しなどとは違い、「日常の謎」にスポットを当てようという流れ。 日本では’88の北村薫『空飛ぶ馬』が発端。東京創元社が圧倒的に多い。女性にファンが多い。 主な作家に、加納朋子や青井夏海などがいる。

二時間ドラマ
言うまでもなく、テレビなどで9時ぐらいからやっているトラベルミステリドラマや警察ミステリドラマをさす。 が、ミステリファンが使うと大抵「罵倒語」。その他には「ライトノベル」とか「金田一少年」なんかも 罵倒語で使われる。なお、バカミスは褒め言葉である。

ノワール
フランス語で「黒」という意味らしい。馳星周に言わせれば、「心の中の暗い部分を書き出した小説」らしい。 ただ、ストーリー的には暗躍街を舞台にした小説が多い。一般にはハードボイルドの一種として捉えられているが、 舞城王太郎が「ノワール」という言葉を使っているところを見ると必ずしもそうとはいえないかもしれない。 主な作家には、馳星周ぐらいか…強いて言えば舞城王太郎(?)…ならば佐藤友哉もか?

は行

ハードボイルド
直訳すると「固ゆで」だが、ミステリ使う際には「非情」などの意味で使う。 一応ジャンルなのだが、本格ミステリ以上に定義に困るジャンル。 探偵役が頭脳よりも肉体で解決するタイプの小説を言うらしい。が、よくわからない。 主な作家にはロス・マクドナルド、レイモンド・チャンドラー、逢坂剛、大沢在昌など。 なお、個人的には『IWGP』や『OUT』もハードボイルドらしいのだが、社会派ミステリとの差がわからない。

バカミス 
間違っても、悪口ではない。「よくもこんなバカなミステリを書いたなー」の略らしい。 「このミステリーがすごい」(以下このミス)で使われ始めた。 「このミス」派じゃない上に、言葉の語感も好きではないので個人的にはほとんど使わない。 主な作品としては…蘇部健一の『六枚のとんかつ』が究極か!? (バカミスを逃げ口上にしてるだけとも言われたけど)。

パズラー 
基本的に論理がメインの作品。日本では(というか外国では使われるのか?)狭義の意味で、 都筑パズラー事をさす(と思う)。都筑パズラーに限定して喋るならば、 限られた条件から安楽椅子探偵が論理的に推理して結論を出すという物であって、 勿論正解である必要性はない(個人的には蓋然性パズラーと言っている)。 主な作家には都筑道夫、西澤保彦がいるが、パズラーとしては『九マイルは遠すぎる』が 究極だと思うので、一読をオススメする。

Whodunit(フーダニット)
Who done it?の略。犯人当てが主体の小説。古典的ではあるが、ゲーム的要素が強い。 ついでに、Whydunit?Howdunit?というのもある。前者が「理由当て」を後者が「方法当て」が主体の小説なのは 英語を見れば自ずとわかる。

ホラー horror
当然ながら読者に恐怖感を与える作品。最近はミステリーとホラーの中間 という作品が多い。例をあげるならば乙一、瀬名秀明など。

本格ミステリ
ロジックあるいはトリックをメインとしたミステリ、という定義では怪しい気が。 鯨統一郎『ミステリアス学園』の薔薇小路亜矢花の「定義」を便宜引用させて貰うと、 「読者に開示された情報を元に意外な結末などを用意して読者を論理的に驚かす小説」らしい。 最も、定義は人によって違うのでなんともいえません。 主な作家はクイーン、カー以下多数。新本格も本格勃興の動きに別のネーミングを与えただけ。

ま行

マーダ―ゲーム
探偵と助手を抜き、電気を消す。犯人は殺人のふりをして、被害者は倒れる。 その何秒か後に電気をつけて、探偵と助手が犯人を推理するというもの。 有栖川有栖『月光ゲーム』で有名になった。恩田陸『六番目の小夜子』の冒頭の ゲームもマーダーゲームの一種と思われる(ひょっとしたら、WMC版かも)。

密室
被害者などが、完全に閉じられた部屋などで殺されている状態。昔から書かれており、世界で最初ミステリから密室物である。 主に、機械的トリックと心理的トリックに分けられる。カーが代表的

メフィスト賞
雑誌「メフィスト」の賞だが、元は森博嗣「すべてがFになる」を出版する時に、 売れるようにと急遽作られた賞。事実上、持ち込み原稿に名前を付けただけである。 江戸川乱歩賞とは違い、衝撃度や発想が奇抜な作品が受賞する事が多い。特に若手層に人気が高い。 主な受賞作家に清涼院流水、霧舎巧、舞城王太郎、西尾維新など。

や行

ら行

リドル・ストーリー riddle sotry
あえて、結末を示さず、読者に結末を委ねる形の小説。二者択一がほとんど。 必ずしも、ミステリとは限らない。ほとんどが、短編。 主な作品にストックトン『女か虎か』など。日本には…あったかな…(後注:東野圭吾にあるらしいけど、未読)。

歴史ミステリ
「歴史の謎」にスポットを当てて推理する形の小説。本来は、「古代の謎」について推理するだけだったのが、 最近は、現在の事件と絡ませるパターンが多い。 前者はジョセフィン・テイ『時の娘』鯨統一郎『邪馬台国はどこですか』など、 後者としては、柄刀一や高田崇史『QED』シリーズなど

ロジック logic
日本語で言えば論理。それ以上は説明できません。 都筑道夫が「トリックよりロジック」と言って実践したのは有名な話。
ただ、氷川透が「ミステリにおけるロジックとはレトリックである」と主張し、西澤保彦が同調していた。 じゃあ、読者はクイーン以来「ロジック」の語感に惑わされ、実は作者に騙され続けてきたってことですか?

わ行


人名編

出版社
新潮社 Shinchosha
「週刊新潮」などの社会系雑誌がメインの会社。文庫ではおそらく最大手。 文庫は特に名作や海外など売れない小説には強い。そのせいか、ミステリーは国内外問わずそこまで多くないが、 メインが社会系雑誌なだけあり、社会派サスペンスには強い。
主な主催文学賞:「三島由紀夫賞」「山本周五郎賞」 「ホラーサスペンス大賞」(幻冬舎と共催)「日本ファンタジーノベル大賞」

角川書店 Kadokawa-shoten
娯楽系がメイン。文庫、ライトノベル、漫画と販売分野は多岐にわたる。 文庫は映画のノベライズや原作なども多い。ミステリは横溝正史以外弱いが、ホラーなどは角川ホラー文庫があるだけに強い。 なお、角川春樹事務所とは現在どうなってるかは知らないが、角川春樹は現在刑務所の中である。
主な主催文学賞:「横溝正史ミステリ大賞」「日本ホラー小説大賞」

講談社 Kodansha
角川と同じく娯楽系がメイン。文庫から漫画まで幅広い。 長年、日本ミステリ界をリードしてきており、新本格やメフィストブームを起こしたのはここである。 現在も、雑誌メフィストを中心に日本のミステリ界を牽引している。ひとえに日本ミステリの動向はココの編集部しだい といっても過言ではない。
主な主催文学賞:「メフィスト賞」「江戸川乱歩賞」

集英社 Shueisha
文庫よりもはるかに漫画の方が強い。文庫はミステリはほとんどない(勿論、ないわけではないけど)。 「小説すばる」「すばる」の影響か、恋愛小説や純文学の多さが印象的。
主な主催文学賞:「すばる文学賞」「小説すばる新人賞」

文藝春秋 Bungei-shunju
新潮と同じく「週刊文春」などの社会系雑誌がメイン。創設者は菊池寛。芥川龍之介なども連載していたらしい。 ミステリに関しては微弱でかつ地味。赤川次郎や宮部みゆきを出してる割には、地味なのは不思議である。
主な主催文学賞:「芥川龍之介賞」「直木三十五賞」「オール讀物新人賞」

光文社 Kobunsha
一体、メインが何なのかはわからない。会社規模も微弱。 『EQ』など日本ミステリを長年リードし、文庫にはミステリも結構あるが何故か地味。 おそらく、講談社のパクリ本が多いからだろう。トラベルミステリなら無類の強さを誇るかも。
主な主催文学賞:「日本ミステリー文学大賞・新人賞」「KAPPA-ONE」「本格推理」

早川書房 Hayakawa-shobo
どうやら、SFの出版社というイメージが強いが、海外ミステリにも強い(海外SFに関しては敵なしだろう)。 海外の現代ミステリを抑えるも早いが、何故か値段が高いのがネック。どうでもいいが、文庫には全部種類がある。 HM、SF、NV、JA、epi、NF、ミステリアスプレス、クリスティー文庫…数えるだけおそらく無駄だろう。

東京創元社 Tokyo-Sogensha
もともと、海外ミステリが主流。十五年程度前から日本ミステリを強化し始め講談社の新本格ブームに加担し、 「日常派」という新しい流れまで作ってしまった。どうやら、現会長の戸川安宣氏のご尽力によるものらしい。 だが、全集などの古典作品の強化なども行っているが、本屋では明らかに地味。会社規模も小さい。 一応、SFのレーベルもある
主な主催文学賞:「鮎川哲也賞」

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